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データロガーとは
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データロガーについて
データロガーとは
データロガーとは、温度や湿度、圧力、照度、加速度、振動など、さまざまな物理量を測定し、そのデータを記録する機器のことです。
幅広く物理量を測定することができるため、用途も広く、環境測定や工場の品質管理、製品の試験など、さまざまな分野で使用されています。
コンピューターなどに接続しなくても独立で動作し、長期間のデータ収集が可能です。
独立で動作可能であることから、遠隔地での測定も行えます。
また、収集したデータを分析することで、品質向上やトラブルシューティング、効率改善などに役立てられます。
なお、「データロギング」とは、ある物理量を一定時間ごとに測定し、その値を記録することを指します。
たとえば、温度計で室温を1分ごとに測定し、その値を記録することなどがデータロギングに当たります。
データロギングによって記録されたデータは、後でグラフ化や分析が可能です。
データロガーの重要性
運輸業界を中心に、データロガーは非常に重要な役割を果たしています。
特に、温度や湿度、衝撃など、輸送中の環境変化を正確に記録し、分析することができる点に大きな意義があります。
データロガーのこうした機能によって、品質管理の向上やコンプライアンスの遵守、業務効率化とコスト削減、顧客満足度の向上、ひいては競争力の強化が可能です。
運輸業界にとって、データロガーの重要性を理解し、顧客に対してその価値を適切に説明することがビジネスの成功に直結します。
データロガーの主な種類
データロガーは、大きく次の7種類に分けられます
温度ロガー
温度ロガーとは、温度を測定し、そのデータを記録するデータロガーです。
温度ロガーには、内蔵センサ型、外部プローブ型、熱電対入力型などがあり、食品や医療機器の滅菌処理、施設管理、水温の監視などの用途で使用されています。
温湿度ロガー
温湿度ロガーとは、温度に加えて湿度も同時に測定し、データを記録するデータロガーです。
食品の保存や、製造工程の管理、建築物の品質管理、植物の栽培管理など、さまざまな分野で使用されています。
大気圧ロガー
大気圧ロガーとは、大気圧を対象として記録するデータロガーです。
大気圧に加え、温度・湿度の測定に対応しているものも多いです。
試験室の大気圧管理、山岳地帯、航空機などで使用されています。
絶対圧ロガー
絶対圧ロガーとは、絶対圧を記録するデータロガーです。
なお、絶対圧とは、宇宙空間のような真空(ゼロ圧)を基準とした圧力のことです。
絶対圧ロガーは、真空から大気圧以上の圧力を測定範囲とし、製薬業界における滅菌や凍結乾燥プロセスの効率的な検証に使用されています。
CO2ロガー
CO2ロガーとは、二酸化炭素濃度を測定するデータロガーです。
工場や農場など、CO2濃度の管理が必要な場所で使用されています。
また、オフィスの事務所など多くの従業員が作業をしている場所で室内のCO2を測定し、換気や空調管理を実施し、作業環境の向上につなげるという活用方法もあります。
照度・紫外線データロガー
照度・紫外線データロガーとは、照度と紫外線を測定するデータロガーで、室内や屋外での照明管理や、紫外線量の測定などに使用されます。
たとえば、美術館や博物館など、照度が展示物の見え方などに影響が出るような場所で活用されています。
また、日焼け止めやサングラスなどを開発する際に、紫外線量の測定するのにも役立てられています。
衝撃ロガー
衝撃ロガーとは、振動・衝撃・落下など外部からの要因による影響を受けた瞬間に「X・Y・Z」の3軸加速度センサで記録し、「どれだけの衝撃」が「いつ」「どの方向から」加わったのかを把握できるデータロガーです。
運送業や建設現場などで使用され、商品や機器の破損防止や、安全対策に役立てられています。
データロガーのメリット
設定・操作が容易
- インターフェースが直感的で使いやすいものであることが多く、設定やデータの抽出、データのグラフ表示といった操作が簡単に行えます。
- 運搬や据付も容易に行えるため、扱いやすい機器だといえます。
データの保管・管理が簡単
- USBケーブルなどを使用してパソコンへ転送し、パソコン上でデータを管理・保存することも可能です。
- データの保管と管理が簡単に行えるよう設計されており、メモリやSDカード、USBメモリなどが内蔵されているため、センサで得たデータをそのまま記録できます。
種類によって複数のデータの測定が可能
データロガーには、複数のチャンネルを備えたものが多く、それぞれのチャンネルに異なるセンサを接続して、複数のデータを同時に測定することができます。 たとえば、温度と湿度を同時に測定する場合は、温度センサと湿度センサをそれぞれ別のチャンネルに接続して、両方のデータを同時に記録することができます。
複数の場所の温度を同時に測定する場合も、複数のチャンネルに温度センサを接続して、それぞれの場所の温度を同時に記録することが可能です。
長期的にデータの収集が可能
データロガーは、長期的なデータ収集に向く製品です。 長期間にわたってデータを保存できるよう、大容量のストレージを内蔵しており、新しいデータを収集し始める前に古いデータを上書きしないように設計されています。このため、長期間のデータ記録が可能です。
また、一部のデータロガーはバッテリー駆動されており、電力供給が不安定な環境下でも長期間のデータ収集が行えます。バッテリー寿命が数ヵ月から数年にわたるものもあります。
データロガーの選び方
データロガーの選ぶ際は、「計測データの種類」「入力チャンネル数」「機能」「記録間隔」「記録容量」「精度」「操作性」「データ通信のタイプ」の8つの観点から検討しましょう。
計測データの種類
特に運輸業界にとっては、主に以下のデータが重要です。
- 温度:冷凍・冷蔵品の品質管理
- 湿度:結露防止や商品の品質保持
- 衝撃:輸送中の荷物の取り扱い状況
- GPS:位置情報の追跡
こうしたデータを中心に、自社のニーズに合ったデータを計測できることを確認しましょう。
入力チャンネル数
入力チャンネル数とは、データロガーに同時接続できるセンサーの数と言い換えられます。
複数の測定項目がある場合、チャンネル数が十分でなければ、別々のデータロガーを用意するか、計測を複数回に分けて行う必要が生じます。
たとえば、倉庫内の温度管理を行う場合を考えてみましょう。
一箇所だけの温度計測で十分なら、単一チャンネルのデータロガーでも事足ります。しかし、倉庫内の複数の場所の温度を同時に記録したい場合、測定場所の数に応じた入力チャンネル数を持つデータロガーが必要となります。
このため、データロガーを選ぶ際、入力チャンネル数は、計測の多様性と効率性に直結する重要な要素です。複数の測定点が必要な場合、十分な入力チャンネル数を持つモデルを選びましょう。
機能
データの観測に加え、業務に適した機能を持つデータロガーを選択することが重要です。
たとえば、次のような機能を持つデータロガーがあります。
- アラーム機能:設定値を超えた場合に通知
- リアルタイムモニタリング:遠隔地からの状況確認
- データ解析ソフトウェア:効率的なデータ管理と分析
なお、ウォッチロガーは、クラウド連携とスマートフォン対応により、これらの高度な機能を簡単に利用できます。
記録間隔
記録間隔とは、データロガーがセンサーからデータを取得し、記録する間隔のことです。
データロガーの記録間隔には、次のような特徴があります。
- 短い間隔:詳細なデータ取得が可能だが、記録容量を早く消費
- 長い間隔:長期間の記録が可能だが、細かな変化を見逃す可能性
業務内容や輸送時間に応じて、最適な記録間隔を選択できるモデルが理想的です。
記録容量
データロガーを選ぶ際、記録容量は、長期間にわたるデータ収集や詳細なデータ分析を行う上で重要な要素となります。記録容量が不足すると、必要なデータを十分に収集できなかったり、データロガーの運用に支障をきたしたりする恐れがあります。
ただし、短距離輸送の場合は、比較的、小容量でも対応可能でしょう。
精度
高精度なデータロガーは、特に厳密な温度管理が必要な医薬品や生鮮食品の輸送に不可欠です。
たとえば、工場の生産ラインにおいて、製品の温度を1℃単位で厳密に管理する必要があるとします。 この場合、精度が±5℃のデータロガーを使用すると、実際の温度が許容範囲を超えているにも関わらず、データ上は問題ないように見えてしまう可能性があります。これは、製品の品質低下や不良品の発生につながり、大きな損失を招く可能性もはらんでいます。
以下が精度の目安です。
- 温度精度:±0.5℃以内が望ましい
- 湿度精度:±3%RH以内が一般的
これを基準に、自社の導入目的にあった精度のデータロガーを選びましょう。
操作性
簡単に操作できるデータロガーを選ぶことで、作業効率が向上し、ヒューマンエラーのリスクも低減できます。
以下が、操作性の高いデータロガーの条件です。
- 直感的なインターフェース
- ワンタッチ操作
- 大きく見やすいディスプレイ
データ通信のタイプ
効率的なデータ管理のために、適切な通信方式を選択することが重要です。
たとえば、次のようなデータ通信方法があります。
- USB接続:安定したデータ転送、低コスト
- Bluetooth:近距離での無線通信、スマートフォン連携
- Wi-Fi:リアルタイムデータ転送、遠隔監視
- 携帯電話網:広範囲での通信が可能、リアルタイムモニタリング
データロガーの活用シーン
データロガーは、さまざまな物理量を測定できるため、幅広い活用シーンが想定できます。
ここでは、「物流・国際物流」「医療機関」「食品」「医薬・検体」「美術館・博物館・図書館」「研究機関・大学」「農業」「土木建築」「スポーツ」「科学・工学の研究」「化学」「インフラ業界」の12のシーンで、具体的にどのように活用できるのかをご紹介いたします。
物流・国際物流
物流・国際物流分野では、輸送環境を監視するために活用されています。
たとえば、温度や湿度、振動、衝撃などの環境データを記録することで、荷物が適切な環境下で輸送されているかどうかを確認しています。
物流の課題として、現地に着いた荷物が「倒れていた」「濡れていた」などの状況と直面することがあります。
その際に、「いつ問題が起きたのか」「何故問題が起きたのか」がわからず、適切な対策を取れずに問題が再発してしまうケースは多く見られます。
データロガーを用いれば、いつ・どの方向から、どれだけの衝撃が加わったのかを、後から確認することが可能です。 また、衝撃と同時に「温度・湿度」も記録することができます。
これまでの物流の方法を変更しなくても、ただデータロガーを導入するだけで、輸送環境の可視化、保守メンテナンス費用の最適化を実現することが可能です。 物流における商品保護の手段の一つとして、データロガーの導入を検討しましょう。
医療機関
医療機関においては、病院環境などの温度・湿度管理に活用されています。
たとえば、感染症の予防や患者の快適さを維持するために、病室や手術室、検査室などの温度や湿度、気圧などを監視します。
また、薬品や試料を保管する冷蔵庫や冷凍庫、貯蔵庫内の温度を監視し、温度が制限内に収まっているかどうかを記録し、温度が異常に上昇した場合はアラートを発信して、薬品や試料の品質を保護します。
ISO 15189の認定取得に求められる、検体等の保存用冷蔵庫・薬剤冷蔵庫の温度管理に最適です。
食品
食品分野では、食材や食品を輸送するトラック、保存する冷蔵庫や冷凍庫、倉庫などの温度や湿度を監視するために、データロガーが活用されています。
また、食品製造の現場でも活用されています。製造工程における温度や圧力を測定することによって、異物混入や品質劣化を防止し、食品衛生の向上に寄与しています。
食中毒が発生した際に、後から記録をたどって原因の究明につなげることも可能です。たとえば、食品の保存温度や湿度が適切であったかどうかを確認できますし、製造ラインでの温度や湿度などの記録から、製造過程での不備を発見する手がかりとなります。
HACCP /ISO22000の認定取得に求められる衛生管理を、より効率的かつ効果的に実現するためにも、データロガーが役に立つでしょう。
医薬・検体
医薬・検体においては、医薬品などの品質維持に必要な「2~8℃」の温度管理を行うためにデータロガーが活用されています。また、湿度に敏感な医薬品や検体もあるため、湿度を監視するためにも役立てられます。
何らかの問題が発生した場合、データロガーの記録を法的な証拠として使用することも可能です。
美術館・博物館・図書館
美術館・博物館・図書館では、展示環境(温度・湿度)の測定にデータロガーが活用されています。
また、美術品を輸送する際にも活用できます。美術品の輸送期間は数週間だったり数ヵ月だったりと異なり、「低衝撃、定温湿輸送をして欲しい」といった条件が求められます。
データロガーを活用すれば、温度・湿度を監視し、衝撃の度合いもチェックできます。
たとえば、藤田電機製作所のウォッチロガーなら、景観を損ねないデザインなので、展示環境にマッチします。また、コンパクトでありながら衝撃に耐えられるしっかりとした作りになっており、測定したい期間も簡単に設定できるため、おすすめです。
研究機関・大学
研究や実験が頻繫に実施される研究機関・大学では、実験中の温度や湿度、気圧などを一定に保ったり記録したりするためにデータロガーが活用されています。
たとえば、藤田電機製作所のウォッチロガーなら、景観を損ねないデザインなので、展示環境にマッチします。また、コンパクトでありながら衝撃に耐えられるしっかりとした作りになっており、測定したい期間も簡単に設定できるため、おすすめです。
データロガーは遠隔地からもデータを監視することが可能なため、研究者が場所に縛られずに研究を進めることができます。
農業
気候や自然環境によって作業品質が左右される農業分野では、ビニールハウスや屋外での栽培において、最適な環境温湿度管理を実現するためにデータロガーが使われています。
たとえば、栽培の温湿度を自動記録し、データを分析して作物の品質向上に役立てたり、土壌の湿度を監視して必要な水量を計算することで、必要な量の水やりをしながら水の無駄遣いを防いだりといったことが可能です。土壌の状態や気象条件に基づいて、最適な収穫時期を判断することもできます。
また、温度変化や衝撃に弱い果物などのデリケートな農産品には、お客様へお届けするまでの輸送状態を記録し、輸送品質を保証することで差別化を図ることができます。
土木建築
データロガーは、土木建築分野でも活用されています。
たとえば、オフィスビルやマンションなどで、断熱用建材や間取りによる住宅性能(温度、湿度など)を評価できます。
また、スマートフォンと使い捨てセンサを組み合わせてセメントの硬化過程の温度・湿度変化を記録すれコンクリート養生の温度管理を安価に行えます。
作業員の安全や健康を守るためにも活用できます。たとえば、建築現場の気温、湿度、風速などを監視し、作業条件が安全であるかどうかを確認したり、防寒対策が必要な温度になったら注意喚起したりといった活用方法があります。
スポーツ
スポーツ分野では、アスリートのパフォーマンス分析やトレーニング環境の最適化などに活用されています。
- アスリートのパフォーマンス分析(心拍数、体温など)
- トレーニング環境の最適化(温度、湿度の管理)
- スポーツ用品の品質管理(輸送中の温度・衝撃管理)
科学・工学の研究
データロガーは、科学・工学の研究にも役立てられています。
- 長期的な環境データの収集(気象観測、地質調査など)
- 実験条件の正確な記録と再現性の確保
- 研究機器の動作状況モニタリング
化学
化学分野では、製造プロセスの温度・圧力管理などに活用されています。
- 製造プロセスの温度・圧力管理
- 危険物の保管状態モニタリング
- 品質管理システムの一環としてのデータ収集
インフラ業界
インフラ業界でも、データロガーは重宝され、主に次のような用途で活用されています。
- 橋梁やトンネルの振動・変位測定
- 電力設備の温度管理
- 水道施設の水質・流量モニタリング
まとめ
データロガーは、温度や湿度、圧力といった物理量を計測・記録するスタンドアロン型の機器のことで、CO2や照度・紫外線などを計測できるタイプもあります。
設定・操作が容易で、複数のデータを長期間にわたって記録できるといった特長があります。
幅広い物理量を計測できるため、活用幅も広く、物流から医療、食品、農業、土木建築まで、さまざまな分野で数多くの用途に活用されています。
藤田電機製作所では、高いデザイン性と機能性を兼ね備え、約20年の実績を持つデータロガー「ウォッチロガー」を開発・提供しております。ウォッチロガーの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。