
治験薬の厳格な温度証明に!-80℃帯域の記録欠損を防ぐデータロガー活用法
治験薬の輸送や保管では、マイナス80℃という超低温環境での厳格な温度管理が求められます。特にGDP(医薬品の適正流通基準)においては、単に指定温度を保つだけでなく、適正に維持されていたことを「連続した記録」として証明することが不可欠です。しかし、現場からは、「超低温で機器が止まり記録も途切れてしまう」、「設置のための設備改修が大掛かりで困っている」といった課題が多く聞かれます。結論から申し上げますと、こうした課題を解決する最適解は、フリーザーにそのまま投入できる「内蔵型」かつ「校正証明が取得可能」なデータロガーの活用です。本記事では、治験薬管理における温度証明の壁と、現場の負担を最小限に抑えながら監査基準をクリアする具体的な運用方法を解説します。
目次治験薬の-80℃管理で直面する「2つの大きな壁」
–GDPガイドラインが求める厳密性
治験薬の温度管理で最も重視されるのは、「いつ・どこで・何度だったか」を途切れることなく証明するトレーサビリティです。わずかな温度逸脱や記録の欠落でも影響評価や是正対応が必要となり、重大な監査リスクにつながります。「温度を維持する」こと以上に、「完全な記録を残し続ける」ことがGDP対応の絶対条件となります。
–従来機器の限界(記録欠損リスク)
一方で、一般的な汎用ロガーを-80℃環境で長期使用すると、激しい温度変化によるバッテリー電圧の低下や電子部品の不具合が生じやすくなります。結果として、「突然の動作停止」や「データ欠損」が発生しますが、これらは庫内にあるため現場では気づきにくく、回収後に初めてデータ異常が発覚するケースが後を絶ちません。超低温環境では、第一に「過酷な環境下でも確実に記録し続けられる耐久性」が機器選定の関門となります。データロガーが超低温環境に対応しているか、必ず仕様書で測定範囲を確認しましょう。
プローブ式 vs 内蔵型!現場の負担はどう変わる?
–両者を導入する際の現場の負担を比較
現在、マイナス80℃対応のロガーは「プローブ式(外部センサー)」と、WATCH LOGGERのような「内蔵型」の2種類が主流です。両者の導入には、現場の負担において決定的な違いがあります。
プローブ式はセンサーを庫内に引き込むため、超低温フリーザー本体に穴を開けたり、パッキンを加工するなどの大掛かりな工事が伴いがちです。これは多大な費用と時間を要するだけでなく、冷気漏れによるフリーザーの寿命低下リスクも招きます。
対するWATCH LOGGERなどの内蔵型は、こうした物理的な改造が一切不要です。治験薬や検体と一緒に庫内へ「ポンと投入するだけ」で、届いたその日から即座に記録を開始できる手軽さがあります。
「投げ込むだけ」の内蔵型が重宝される理由
–現場のリアルな声と制約
私たち営業担当が実際に現場へ訪問すると、「すでに設置されているフリーザーに、プローブを通す穴がない」というケースに頻繁に遭遇します。仮に専用の穴があっても、超低温下でカチカチに凍結してしまっていることがほとんどです。プローブを通すためには自然解凍を待つか、事前にフリーザーの電源を切っていただく必要があります。運用中のフリーザーを止めるということは、その間、治験薬や検体を一時退避させる「もう1台の予備フリーザー」が必要になることを意味し、現場にとっては非現実的なほどの大きな負担となります。
「それなら、古いフリーザーを諦めて、ロガーと一緒に新規導入すればいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、予算取りや設置スペース、システム切り替えのタイミングなど、理想通りには進まないのが「現場」というものです。「リース品なので勝手に穴を開けられない」、「プローブの配線が日々の出し入れの邪魔になる」といった切実な事情も重なります。
こうした数多くの現場のリアルな障壁を見てきたからこそ、既存の設備を一切止めず、環境にも変更を加えることなく、「そのまま庫内にポンと投げ込むだけ」で運用を開始できる内蔵型ロガーの利便性が、現場から強く求められているのです。
–監査に耐えうる「校正(精度証明)」の確実性
GDP対応において運命の分かれ道となるのが「定期的な校正のしやすさ」です。プローブ式の場合、一度配線してしまうとセンサーの取り外しが難しくなり、その後の校正作業が実質的に困難になるケースがあります。一方、WATCH LOGGERは本体ごと回収して厳密な校正を実施できます。
「工事不要で現場の作業を圧迫しない」手軽さと、「監査時に校正証明を明確に提示できる」記録の信頼性。この相反しがちな2つの要素を両立できる点こそが、内蔵型が現場で高く評価される最大の理由です。(参考:「データロガーの校正とは?その重要性と目的の詳細解説」)
品質管理担当者がロガー選びで重視するポイント

–マイナス80℃帯のロガー選びで一番重視することは?
現場の品質管理担当者へのヒアリング結果からも、この傾向ははっきりと表れています。 -80℃帯のロガー選びで重視するポイントの第1位は、約半数を占める「記録の信頼性(校正が可能か)」。次いで第2位が「設置の手軽さ(工事不要)」となっています。多くの企業が「監査基準を満たす厳密なGDP対応」と「日々の運用負担の軽減」という2つの課題に悩み、まさに内蔵型ロガーが持つ解決策を求めていることが分かります。
厳格な証明とコスト削減は「ロガー選び」で両立できる
–まとめ
治験薬の安全性を守る上で、監査に耐えうる「正確で途切れない温度記録」の提出は避けて通れません。その要件をクリアしつつ、現場の負担を最小化する手段として、工事不要で確実な校正が可能な内蔵型データロガーの導入は非常に有効です。
実際に藤田電機製作所のWATCH LOGGER(KT-155F/EX(LED))は、新型コロナワクチンの厳格な温度管理(超低温保管)において日本政府に採用された確かな実績があり、その高い信頼性は実証されています。大掛かりな設備投資を抑えながら、運用コストの削減と厳格な品質保証を同時に実現してください。
デモ機の3週間無料レンタルのお申し込みも可能です。 実際のフリーザーや輸送環境にて、使いやすさ・設置の手軽さ・記録の信頼性をぜひご確認ください。

この記事を書いた人:K
株式会社 藤田電機製作 営業部 / デジタルマーケティング担当
お客様の温度・湿度・衝撃管理の悩みを直接ヒアリングしながら最適なデータロガーを提案している。モットーは「現場に負担をかけないソリューションの提供」。 最近、ハマっているものは"ボストンクリームパイ"。



