航空輸送の特徴・メリット、費用について解説

航空輸送の特徴・メリット

航空輸送は、国内外の物流において非常に重要な役割を果たし、最大の特徴は他の輸送手段と比較して圧倒的な迅速性を持っていることです。東京-ロサンゼルス間を約10時間で結ぶことができ、定時運航率も高いため、到着時間の予測が立てやすいという利点があります。また、航空管制システムや最新の航法システムにより、安全で確実な輸送が実現されています。貨物の追跡システムも充実しており、荷主は輸送中の貨物の位置情報や状態をリアルタイムで確認することができます。このような高い信頼性は、ビジネスにおける大きな安心感につながっています。

　ビジネスにおける航空輸送の活用メリットは、在庫の最小化が可能となり、在庫管理コストを削減できることに加え、緊急出荷への対応も可能です。これにより、ビジネスチャンスを逃さない迅速な対応が実現できます。また、温度管理された貨物室や専用コンテナの使用により、高品質な輸送環境が確保されており、振動や衝撃も比較的少ないのが特徴です。

　世界中の主要都市を結ぶ広範な航空ネットワークが確立されており、航空会社間の提携によって柔軟な輸送ルートの選択が可能です。このような特徴により、航空輸送は現代のグローバルなサプライチェーンを支える重要な基盤となっており、特にスピードと確実性を重視する場合には最適な輸送手段として広く活用されています。

航空貨物に適しているもの

航空貨物輸送は、その特性を活かせる貨物と、安全上の理由で制限される貨物が明確に区分されており、適切な判断のもとで利用することが重要です。どのようなものがあるのか一緒に見ていきましょう。



1. 高価・付加価値の高い貨物 
半導体や電子機器、高級時計、宝飾品などの高価な商品の輸送に適しています。これらの商品は輸送時間が在庫コストに直結するため、迅速な輸送が可能な航空便が選ばれます。また、セキュリティ面でも航空輸送は優れており、盗難や破損のリスクを最小限に抑えることができます。

2. 緊急性の高い貨物
医薬品や生体試料、臓器などの医療関連品は、人命に関わる緊急性の高い輸送が必要です。また、重要な契約書類や報道資材なども、時間との勝負となるため航空輸送が選ばれがちです。

3. 生鮮・腐敗しやすい貨物
鮮魚や花卉、果物などの生鮮食品は、鮮度維持が重要です。航空輸送の温度管理された環境と迅速な輸送は、これらの商品の価値を最大限に保つことができます。

4. デリケートな貨物
精密機器や美術品、骨董品などの繊細な商品は、航空輸送の衝撃・振動の少ない環境が適しています。また、専用の梱包材や取り扱い方法により、安全な輸送が可能です。

　航空貨物として輸送できない・制限される品目には、危険物やその他の特別な制限がある物品が含まれます。危険物には、「可燃性・爆発性のある物質、強い酸性やアルカリ性の物質、放射性物質、有毒・感染性物質」などが含まれ、これらは人間の健康や航空機の安全に重大な影響を与える可能性があるため、厳格に規制されています。その他の制限品目として、「航空機の計器に影響を与える可能性のある磁性を帯びた物質、特別な許可が必要な武器・銃器類、特別な条件下でのみ輸送可能な生きた動物、そして違法薬物や麻薬類」などがあります。これらの制限は、航空機の安全運航や他の貨物への影響を考慮して定められています。

　また、各国の輸出入規制にも注意が必要です。特に人間の健康や航空機の安全に関わる物品に対しては、国際航空運送協会（IATA）の危険物規則に基づき、厳格な管理が行われています。そのため、航空貨物の輸送を検討する際には、事前に品目が輸送可能であるかを確認することが重要です。

航空輸送の費用

航空輸送の費用体系は、基本となる運賃と様々な付帯費用から構成される複雑な構造となっています。基本運賃は主に重量や容積に基づいて計算され、45kg未満の場合は比較的高めの最低料金が設定されていますが、重量が増えるにつれて単位重量あたりの料金は逓減していく仕組みとなっています。また、実重量と容積重量を比較し、より大きい方が課金対象となるため、効率的な梱包が重要となってきます。これに加えて、様々な付帯費用が発生します。原油価格の変動に応じて調整される燃油サーチャージ、セキュリティ対策のための保安検査費用、通関手続きに関連する費用、そして貨物の取り扱いに関する各種手数料などが含まれます。特に国際輸送の場合は、関税や消費税などの諸税も考慮する必要があります。

　輸送時期による変動も重要な要素です。年末年始や夏季などのピークシーズンには追加料金が発生し、反対にオフシーズンでは比較的安価な料金設定となります。また、特別な取り扱いが必要な貨物の場合は、追加の費用が発生します。例えば、温度管理が必要な貨物の冷蔵・冷凍施設使用料、危険物の取扱手数料、大型貨物や特殊形状貨物の特別搭載料などが該当します。

　コスト管理の面で、費用を抑えるポイントがあります。事前予約による割引の活用、定期契約による優遇料金の適用、複数の荷主の貨物をまとめて輸送する混載サービスの利用、オフピーク時期の活用などが挙げられます。また、適切な梱包による容積重量の最適化も、コスト削減の重要なポイントとなります。支払いに関しては、前払い制が一般的ですが、与信設定による後払いも可能な場合があります。国際輸送の場合は為替レートの変動リスクも考慮する必要があり、決済通貨の選択も重要な検討事項となります。

　このように、航空輸送の費用は多岐にわたる要素から構成されており、効率的な輸送を実現するためには、これらの費用を総合的に検討し、市場動向を把握しながら定期的な見直しを行うことが重要です。

航空輸送にはデータロガーの活用がおすすめ

航空輸送において、データロガーの活用は、輸送品質の向上、安全性確保、および効率化に大きく貢献します。航空輸送は、高度や気象条件の変動により、貨物に温度、湿度、衝撃、振動などの影響を与える可能性があります。これらの環境変化は、輸送中の品質劣化や事故のリスクにつながるため、正確な状況把握と適切な対策が不可欠です。データロガーは、これらのデータを自動的に記録し、可視化することで、航空輸送において大きな利点をもたらします。



　自動ロギングで貨物の状態を把握できるため、異常が発生した際には迅速に対応できます。また、記録されたデータに基づき、輸送経路の改善や梱包方法の見直しを行うことで、輸送品質の向上が図れます。特に、温度や湿度の管理により、貨物の品質劣化を防ぐことで、顧客満足度を高められます。事故が発生した場合にもデータを確認することで、原因を特定し、再発防止策を講じることが可能です。



　株式会社藤田電機製作所の"WATCH LOGGER"は、航空輸送に最適なデータロガーとして、多くのメリットを備えています。特に以下の点で、安全性と信頼性を重視する航空貨物輸送におすすめです。

1. 非該当証明書の発行で安心輸送
WATCH LOGGERは、航空輸送の規制に適合していることを示す非該当証明書を発行可能です。これにより、国際輸送の手続きがスムーズになり、安心して利用できます。

2. RTCA/DO-160G・MSDS完備で高い安全性
航空機搭載電子機器の耐環境試験規格であるRTCA/DO-160Gに準拠し、さらに化学物質安全性データシート（MSDS）も完備しています。これにより、高い安全性と安心の品質を提供しています。

3. 各航空会社承認済みで信頼性抜群
WATCH LOGGERは、複数の航空会社からの承認を得ているため、信頼性が高く、航空輸送において実績豊富です。

4. 豊富なラインナップで多様なニーズに対応
温度、湿度、衝撃・振動など、多様なデータを計測可能なラインナップが揃っているため、輸送中の品質管理に最適です。用途に応じて、最適なモデルを選択できます。

5. 小型軽量で使いやすい設計
コンパクトで軽量なデザインにより、設置も操作も簡単。初めての方でも手軽に利用できるため、効率的な輸送管理をサポートします。

輸出に関しましては”輸出書類のページ”で詳細をご案内しております。是非、ご一読ください。

まとめ

航空輸送は、高価な商品の輸送に最適です。半導体や電子機器、高級時計、宝飾品などは、輸送時間が在庫コストに直結するため、スピーディーな航空便が必要です。また、航空輸送はセキュリティも高い安全性を誇り、盗難や破損のリスクを最小限に抑えられます。緊急を要する輸出入や高価な商品を扱う際には、航空輸送が欠かせません。ただし、運賃が高いというデメリットもあり、効率的な物流戦略を構築するには海上輸送とのバランスが必要です。国際貿易では、航空輸送の利点と欠点をよく考慮して最適な輸送方法を選択することが求められます。