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航空輸送の特徴・メリット、費用について解説

海上輸送(海運)とは?メリットやコストについて解説

海上輸送(海運)は、環境に優しく大量の荷物を運べる便利な手段です。コストも抑えられており、国際的な物流手段です。ただし、天候や港の混雑などで運搬時間が変化することがあるため、慎重な計画とリスク管理が不可欠です。温度・湿度・衝撃等を自動記録するデータロガーといった測定器を活用することで、より安全かつ効率的な輸送が実現可能です。

「海上輸送(海運)」とは?

海上輸送(海運)は、船舶を使用して貨物を海上で運ぶ物流サービスです。世界の貿易量の約90%を担う重要な輸送手段であり、国際物流の中心的な役割を果たしています。

海上輸送には主に3つの種類があります。

定期船輸送

決まった航路と時刻表に従って運航され、コンテナ船を使用して様々な荷主の貨物を混載輸送します。

不定期船輸送

荷主の要望に応じて運航され、バルク船で石炭や鉄鉱石などのばら積み貨物を大量輸送します。

タンカー輸送

原油やLNG、化学製品などの液体貨物を専門に輸送し、エネルギー資源の輸送に不可欠な役割を担っています。

海上輸送の特徴として、1隻で数千から数万トンの貨物を輸送できる大量輸送能力があります。このスケールメリットにより、効率的な輸送が可能となり、大規模な国際取引を支えています。また、他の輸送手段と比べてCO2排出量が少なく、環境負荷の低減にも貢献しています。

業界では、FCL(Full Container Load)やLCL(Less than Container Load)、B/L(船荷証券)といった専門用語が使用されております。近年は特に、ブロックチェーン技術の活用やスマートポートの開発、AIやIoTを活用した効率化など、デジタル技術の導入が進んでいます。また、環境への配慮から環境配慮型の船舶の導入も増加傾向にあります。

海上輸送は、グローバル経済を支える重要なインフラストラクチャーとして、技術革新と環境配慮の両面から進化を続けています。

海上輸送に適した貨物

海上輸送は、大量輸送が可能なため、特に以下のような貨物に適しています。

大量・重量物の貨物

・原油、LNG、鉄鉱石などのバルク貨物
・自動車、建設機械などの大型機械
・穀物、飼料などの農産物
・コンテナに積載される工業製品全般

船舶の大容量輸送能力を最大限に活かすことができ、1隻で数万トンもの貨物を運搬可能です。そのため、単位あたりの輸送コストを大幅に抑えることができます。

危険品・特殊貨物

・引火性液体(ガソリン、軽油など)
・高圧ガス
・腐食性物質
・放射性物質

安全管理が求められるため、専用のタンカーやコンテナを利用して海上輸送されることが一般的です。

時間的余裕のある貨物

・季節商品(クリスマス用品など)
・在庫補充用の一般消費財
・原材料や中間製品
・航空輸送が適している貨物

納期に1〜2ヶ月程度の余裕がある貨物も、コスト効率の良い海上輸送が選択されます。

海上輸送よりも、航空輸送が適している貨物

一方で、以下のような貨物は迅速な配送が求められるため、航空輸送が適しています。

・生鮮食品(魚介類、果物など)
・医薬品・医療機器
・精密機器・半導体
・時期性の高い商品(ファッション衣類など)
・緊急部品・補給品

高付加価値で時間的制約が厳しい貨物が中心であり、航空輸送の高速性を活かして商品価値を維持し、緊急対応を可能にする必要があります。

海上輸送のメリット

海上輸送は、グローバル経済を支える重要なインフラストラクチャーとして、技術革新と環境配慮の両面から進化を続けています。具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

大量輸送ができる

近年、船舶の大型化によって、コンテナ船やタンカーは一度に数万個のコンテナや数十万トンの貨物を輸送でき、スケールメリットを最大限に活用しています。ばら積み船、自動車運搬船、重量物運搬船など、貨物の特性に合わせた様々な専用船が存在し、多様なニーズに対応可能な効率的な輸送を行っています。

輸送コストを抑えられる

大量輸送によるスケールメリットは、単位当たりの輸送コストを大幅に削減し、船舶の燃料効率の高さと相まって、長距離輸送においてもコスト優位性を確保しています。 さらに、世界中の主要港湾を結ぶグローバルなネットワークは、国際物流を円滑に行うための基盤となっており、定期航路や不定期航路、複合輸送などの多様な輸送サービスで、企業のニーズに応じた柔軟な物流対応を可能にしています。

環境への負荷が比較的少ない

海上輸送は単位当たりのCO2排出量が他の輸送手段より少なく、環境負荷の低減に貢献しています。地球温暖化対策が求められる現代において、陸上輸送から海上輸送への転換(モーダルシフト)を促進することで、さらに環境負荷の低減が期待され、持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を担っています。

海上輸送にかかるコスト

海上輸送の費用において最も重要な要素となるのが「海上運賃」です。この海上運賃は、基本運賃(Basic Ocean Freight)を軸に、様々な付随的費用から構成されています。

基本運賃(Basic Ocean Freight)は、輸送距離、貨物の種類、量、コンテナのサイズなどに基づいて決定される、最も基本的な輸送料金です。 これに加えて、燃料割増料(BAF:Bunker Adjustment Factor)や通貨変動調整料(CAF:Currency Adjustment Factor)などの追加料金が発生します。

燃料割増料は、船舶燃料価格の変動に応じて加算され、国際的な原油価格に連動して定期的に見直されます。一方、通貨変動調整料は、為替レートの変動リスクを調整するためのもので、主要通貨間のレート変動に対応しています。

また、港湾でのコンテナ取扱費用をカバーするターミナルハンドリングチャージ(THC:Terminal Handling Charge)も必要です。これは、積み下ろしや保管などの作業にかかる費用を含んでいます。さらに、港湾使用料、通関手数料、コンテナ関連費用、保険料、書類作成費用などが追加されることがあり、これらの費用は貿易条件(インコタームズ)に従って、買主または売主のいずれかが負担することになります。

海上輸送の運賃要素は、季節や需要の変動、燃料価格の推移、為替レートの変動などの要因によって大きく変動する可能性があります。特に近年では、環境規制の強化による低硫黄燃料の使用義務化や、新型コロナウイルスの影響による輸送需要の変動が、運賃に大きな影響を与えています。そのため、海上輸送を利用する際には、これらの費用構造を十分に理解し、変動要因を考慮に入れた予算計画を立てることが重要です。

海上輸送にはデータロガーの活用がおすすめ

海上輸送は長期間にわたる輸送中、貨物は温度や湿度など様々な環境変化にさらされるため、その状態を正確に把握し、適切に管理する必要があります。この課題を解決するために有効なのがデータロガーであり、特に株式会社藤田電機製作所”WATCH LOGGER”は、海上輸送における品質管理において優れた性能を発揮します。

WATCH LOGGERの最大の特長は、長寿命バッテリーと輸出手続きの容易さです。約3年の長寿命バッテリー(機種によって異なる)により、長期間の海上輸送でも継続的に温度・湿度をモニタリングでき、微細な環境変化も正確に記録します。また、非該当証明書やRTCA(航空無線技術委員会)認証を取得しているため、輸出規制に関連する煩雑な手続きを軽減し、航空輸送との複合一貫輸送にも対応できる点が特徴です。

記録データは簡単に自動レポートに展開でき、輸送中の環境変化を詳細に記録できるため、品質管理の向上が期待できます。記録されたデータにより問題発生時の原因特定が容易になり、リスクの未然防止にも貢献します。

まとめ

海上輸送は、大量の荷物を環境に優しく、コストを抑えて運べる効率的な手段ですが慎重な計画とリスク管理が求められます。今後も海上輸送の需要は増加が見込まれており、データロガーなどの測定器を活用した品質管理の重要性がますます高まっていくでしょう。

事例のご紹介

「お客様の声」でもご紹介させていただいているセイノーロジックス株式会社は、日本における海上混載輸送(LCL輸送)のパイオニアとして業界をリードしてまいりました。 海外展開をお考えの企業様や、より効率的な国際物流の仕組みをお探しの方は、ぜひセイノーロジックス株式会社の公式ウェブサイトをご覧ください。きっと貴社のビジネスに最適なソリューションが見つかるはずです。

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