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「冷凍食品輸送の温度逸脱を防ぐ!温湿度ロガーの導入ポイント

冷凍食品輸送の温度逸脱を防ぐ!温湿度ロガーの導入ポイント

冷凍食品の品質は、温度管理に大きく左右されます。特に近年では、消費者の品質意識の高まりや、HACCPISOなどの衛生管理基準の導入により、物流現場でも「温度管理の見える化」が求められるようになってきました。そこで注目されているのが、温湿度データロガーの活用です。本記事では、冷凍食品輸送における温度逸脱のリスクと、それを防ぐための温湿度ロガーの導入ポイントについて、わかりやすく解説します。

目次

冷凍食品輸送の課題とは?

–冷凍食品の品質は温度管理に大きく依存

冷凍食品は、製造段階でしっかりと凍結されていても、輸送中に温度が逸脱すれば、品質の劣化や安全性の低下につながり、最終的には廃棄や顧客からのクレームといったリスクを招く可能性があります。しかし、物流の現場では、積み替え時の外気への露出や、冷蔵車のドア開閉、保冷材の劣化など、温度逸脱の要因が多く潜んでいます。

–冷凍環境の湿度の影響は?

冷凍環境下では、空気中の水分(湿度)は「氷」として庫内に存在するため、冷凍庫内の相対湿度は一般的に高くなります(90%以上になることも多い状況です)。ただし、食品自体が凍っているため、湿度による直接的な品質劣化は起こりにくいのが特徴です。しかし、湿度が問題となるケースも存在します。まず、庫内の湿度が高いと、食品やパッケージに霜が付着しやすくなります。これが「冷凍焼け」や「見た目の劣化」につながることがあります。

 また、輸送中に温度逸脱が起きて一部解凍されると、水分が食品表面に移動し、再凍結時に品質低下や霜の増加につながることがあります。このような背景から、湿度データは温度管理を補完する重要な情報として位置づけられています。

–輸送中の温度逸脱が起こる原因

実際の物流現場ではさまざまな要因によって温度逸脱が発生する可能性があります。主な原因は以下の通りです。


1. 外気温の影響
夏場や直射日光の下では、冷蔵車の外壁やコンテナが高温になり、断熱性能が不十分な場合は内部温度にも影響を及ぼします。特に長時間の停車や渋滞時には、冷却能力が追いつかず温度が上昇することがあります。

2. 積み替え作業時の露出
物流拠点での積み替え作業中に冷凍食品が外気にさらされる時間が長くなると、表面温度が上昇し、品質に影響を与える可能性があります。フォークリフトや手作業での移動中に冷気が逃げることも要注意です。

3. 車両のドア開閉
配送ルートでの頻繁なドア開閉は、冷気の流出と外気の流入を招きます。特に複数の店舗を巡回するルートでは、開閉のたびに庫内温度が変動しやすく、冷凍食品の温度逸脱リスクが高まります。近年、ニュースで取り上げられたこともあり、覚えている方も多いかと思います。

4. 保冷材・冷却装置の性能低下
保冷材の劣化や冷却装置の故障・メンテナンス不足も、温度逸脱の直接的な原因となります。特に長距離輸送では、バッテリー切れや冷却力の低下により、庫内温度が安定しないケースがあります。

5. 積載方法の問題
冷気の流れを妨げるような積載や、冷却装置から遠い位置への積載は、局所的な温度上昇を引き起こすことがあります。温度ムラが発生しやすく、一部の製品だけが逸脱することもあります。

–クレームや廃棄リスクの増加

輸送中に温度が上昇したことで食品が一度解凍され、再凍結された場合、食感の変化や霜の付着、変色、液漏れなどが発生しやすくなります。これにより、消費者から「品質が悪い」「見た目が変」といったクレームが寄せられることがあります。特に業務用や医療・介護施設向けの冷凍食品では、安全性への懸念が取引停止や契約解除につながるケースも少なくありません。これは単なる商品ロスにとどまらず、輸送コスト・人件費・信頼の損失など、企業にとって多方面のダメージとなります。廃棄に関する記録や報告義務が発生することもあり、業務負担の増加にもつながります。

温湿度ロガーとは?基本機能と役割

–温度・湿度を記録で把握できる機器

ロガーは、あらかじめ設定した間隔で温度・湿度を測定し、リアルタイムで確認できるものや、記録を後から読み出すタイプなど、用途に応じてさまざまな種類があります。


1. NFC型
読み取りリーダーやスマートフォンをかざすだけでデータを読み取れるタイプです。簡単操作が特徴的であり、現場作業者でも扱いやすい設計となっています。データ取得は瞬時に行われるため、短距離輸送や簡易チェック用途に適しています。Bluetoothと比較すると通信距離は短くなりますが、低コストで導入しやすいというメリットがあります。

2. USB型
測定終了後にPCへ接続してデータを読み出すタイプです。シンプルな構造で導入しやすく、一時的な輸送やスポット利用に適しています。データはPDFCSV形式で出力可能な製品が多く、報告書作成時にも便利に活用できます。

3. Bluetooth型
スマートフォンやタブレットと連携し、現場で即座にデータ確認が可能です。専用アプリを使って設定やデータ取得ができるため、作業効率が高く、複数台の管理にも適しています。一部モデルでは、クラウドと連携してデータを自動アップロードする機能を備えており、遠隔監視やアラート通知にも対応可能です。このような特徴により、長距離輸送や複数拠点での品質管理に適しています。

 株式会社藤田電機製作所の「WATCH LOGGER」には、現在NFC型とUSB型の2タイプがございます。さらに、近日中にBluetooth型の発売も予定しており、これによりさまざまな用途でより使いやすくなります。

–記録データの活用方法と校正

温湿度ロガーで取得した測定データは、単なる数値の記録にとどまらず、物流品質の証明・改善・信頼構築において極めて重要な役割を果たします。


1. 報告書・証明書類としての活用
輸送中の温度・湿度の記録は、納品先や監査機関に対して「適切な温度管理が行われた」ことを証明する資料として活用できます。特にHACCPISOなどの衛生管理基準に準拠した運用では、記録の保存と提出が義務付けられるケースも多く、ロガーのデータはその根拠となります。また、クレームが発生した際にも、記録データがあれば事実確認が可能となり、感覚的なやり取りではなく、客観的な対応ができるようになります。

2. トレーサビリティの確保
冷凍食品の輸送履歴を追跡するうえで、温湿度データは製品の品質保証の一部として機能します。
「いつ・どこで・どのような温度環境だったか」を記録することで、サプライチェーン全体の透明性が向上し、万が一の問題発生時にも迅速な原因特定と対応が可能になります。

3. 測定データの活用による改善
蓄積された温湿度データを分析することで、温度逸脱の傾向や発生ポイントを把握することができます。たとえば、「積み替え時に温度が上がりやすい」「特定のルートで逸脱が多い」といった情報をもとに、輸送方法や積載手順の改善につなげることが可能です。

4. 校正の重要性
温湿度ロガーの信頼性を保つためには、定期的な校正(キャリブレーション)が不可欠です。校正が行われていないロガーでは、測定値に誤差が生じる可能性があり、誤った判断や不正確な報告につながるリスクがあります。特に食品や医薬品など、温度管理が厳しく求められる分野では、校正証明書の有無が取引条件になることもあるため、導入時には校正対応の有無を確認することが重要です。(参考:「データロガーの校正とは?その重要性と目的の詳細解説」)

冷凍食品輸送における温湿度ロガーの導入メリット

–品質保証・クレーム対応・社内改善の強化

温湿度ロガーの導入は、企業の運用体制や顧客対応力を強化するための「仕組み」として機能します。

1. 品質保証
HACCPISOなどの衛生管理基準では、温度管理の記録と証明が求められる場面が増えています。製品の品質を「数値で説明」できるようになります。「しっかり管理しています」ではなく、「このように管理しました」と具体的な記録を提示できることが、説明責任を果たすうえでの強力な武器になります。また、記録があることで安心して顧客対応ができるというメリットがあります。

2. クレーム対応の迅速化
万が一、製品に関するクレームが発生した場合でも、温湿度ロガーの記録があれば、輸送中の温度管理が適切だったかどうかを即座に確認できます。これにより、感覚的なやり取りではなく、客観的な事実に基づいた対応が可能となり、無用なトラブルの長期化を防ぐことができます。自社に非がない場合はそれを証明できるため、過剰な責任を負うリスクも軽減されます。さらに、クレーム対応のスピードが上がることで、顧客満足度の維持や再発注への影響を最小限に抑えることができます。

3. 社内改善への活用
複数回の輸送記録を比較することで、「特定のルートで温度逸脱が多い」「積み替え時に温度が上がりやすい」といった傾向を把握することが可能です。これにより、積載方法の見直しや配送ルートの変更、保冷材の追加など、具体的な改善策を講じることができます。

ロガー導入時のチェックポイント


–冷凍食品に適した設定とは?

冷凍食品は温度変化に敏感なため、記録間隔が長すぎると逸脱の瞬間を見逃す可能性があります。一般的には、5分〜15分間隔での記録が推奨されますが、積み替えやドア開閉が頻繁なルートでは、1分間隔など細かい設定ができる機種が望ましいです。また、精度も重要です。冷凍食品では−18℃以下の管理が基本とされるため、±0.5℃以内の測定精度を持つロガーが理想的です。

–ロガー設置場所の工夫

ロガーの設置場所によって、記録される温度は大きく変わります。冷気の流れが届きにくい場所や、ドア付近など外気の影響を受けやすい位置では、実際の製品温度と乖離したデータになる可能性があります。複数のロガーを使って庫内の温度ムラを把握することで、積載方法の改善にもつながります。(参考:「場所で温度が違う?温度分布から見るマッピングの重要性」)

–バッテリー寿命とデータ保存期間

冷凍食品の輸送は、長時間・長距離になるケースも多く、バッテリー切れによる記録停止は避けたいところです。そのため、最低でも数日〜1週間以上の連続稼働が可能なバッテリー容量を持つ機種を選ぶことが重要です。また、データ保存期間もチェックポイントです。輸送後すぐにデータを回収できない場合もあるため、数千件以上の記録が保存できるロガーであれば、安心して運用できます。

–データの取得方法

スマホアプリ対応のBluetooth型やNFC型であれば、現場作業者がすぐにデータを確認・取得できるため、作業効率が向上します。また、クラウド連携機能がある場合は、遠隔地からの監視や複数拠点での情報共有が可能となり、管理体制の強化につながります。PCでのデータ取得も、報告書作成や社内共有に便利ですが、現場との連携を考えるとモバイル対応は大きなメリットです。

温湿度ロガーで冷凍食品輸送の信頼性を高めよう

–小規模でも導入可能な製品が増えている

冷凍食品の輸送において、温度管理の「見える化」は、品質保証の基盤であり、顧客との信頼関係を築くうえで欠かせない要素です。目に見えない温度変化を数値として記録・証明できることで、「品質を守っている」ことを説明するのではなく、「守った証拠」を提示できるようになります。さらに近年では、小規模事業者でも導入しやすい温湿度ロガーが増えており、高価なシステムを必要とせずとも、確かな品質管理が可能になっています。

 NFC型やUSB型など、シンプルで扱いやすいモデルも登場しており、現場の負担を最小限に抑えながら導入できるのも大きなメリットです。こうした背景から、温湿度ロガーは今後の物流品質向上の鍵となるツールとして、食品業界を中心に広く注目されています。

–"WATCH LOGGER"が冷凍食品管理に向いている理由



株式会社藤田電機製作所が提供する"WATCH LOGGER"シリーズは、冷凍食品輸送における温度管理に非常に適したデータロガーです。その理由は、現場ニーズに直結した特長にあります。

 防水性について、冷凍・冷蔵環境では結露や水滴が発生しやすく、機器の防水性能は重要な要素となります。防水仕様(IP67規格対応)のモデルを用意しており、過酷な環境下でも安定して動作します。

 電池寿命は長距離輸送や長期保管にも対応できるよう、モデルによっては最大3年の連続使用が可能で、頻繁な電池交換の手間を省くことができます。


 通信形式については、用途に応じて選べる通信方式が大きな魅力です。USB型は、PCで簡単にデータ取得でき報告書作成に便利です。NFC型は、読み取りリーダーやスマホがあればデータ取得でき、現場作業者でも扱いやすい設計となっています。これにより、現場の規模や運用体制に合わせた柔軟な導入が可能です。

 サイズ感についても、コンパクト設計で、冷凍食品の箱やパレットに邪魔にならずに設置できます。小型ながら高精度な測定ができるため、製品と同じ位置での温度管理が実現できます。

 初めて導入を検討される方には、WATCH LOGGERのデモ機を「3週間無料で貸出するサービス」も提供されています。実際の輸送ルートや保管環境で試すことで、導入後の運用イメージが明確になり、安心して選定できるのが大きなメリットです。冷凍食品輸送の品質管理を強化したい方は、まずはWATCH LOGGERの無料デモ機で現場検証してみてはいかがでしょうか。信頼性の高い温湿度管理が、顧客満足とブランド価値の向上につながる第一歩になります。

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