
GDPとは?輸送・保管のポイントを解説
GDPとは、2018(平成30)年に厚生労働省が高水準の品質保証の維持と医薬品の流通過程での完全性を目的として卸売販売業者等向けに定めたものです。医薬品が製造工場を出てから患者様の手元に届くまでの全過程において、その品質を保持するための重要な指針です。
近年、日本国内でもGDPガイドラインへの対応が求められており、製造業や物流に携わる担当者にとって避けては通れない課題となっています。しかし、「GDPという言葉は知っているが、どこまで対応すれば十分なのかわからない」という声も聞かれます。
そこで、本コラムでは、GDPの基礎知識からGMPとの違い、輸送・保管において特に留意すべき温度管理のポイントまでをわかりやすくご紹介いたします。
医薬品の適正流通「GDP」とは?
GDPとは、「Good Distribution Practice」(医薬品の適正流通)の頭文字を取ったものです。
2018(平成30)年に厚生労働省が高水準の品質保証の維持と医薬品の流通過程での完全性を目的として卸売販売業者等向けに「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」を定めました。
物流に携わる企業にとって、この基準への準拠は極めて重要な課題となっています。
特に、輸送中や一時保管中の温度管理については「問題が起きていなければ良い」では済まされず、記録に基づいた説明のできる体制構築が求められます。
医薬品は、温度や湿度、光、振動などの外部環境の変化によって成分が変化したり、効果が損なわれたりするリスクを抱えています。そのため、単に「運ぶ」だけでなく、製造時と同等の品質を維持したまま届けることが不可欠です。
GDPとGMPとの違い
従来は、製造工程の管理基準であるGMPが重視されてきました。
GMPとは、Good Manufacturing Practice(製造管理および品質管理の基準)の頭文字を取ったもので、製造業における、良いものづくりのための規範です。
主に製造工場内での原材料の入荷から、製造、包装、そして出荷の判定が出るまでの工程を管理するためのものです。
これに対し、GDPは出荷された後の「流通」に特化した基準です。製造段階でGMPによって担保された品質を、配送や倉庫保管、積み替えといった工場外のプロセスでも損なわないようにバトンをつなぐ役割を担っています。
つまり、GMPが「工場内の品質」を守る基準であるのに対し、GDPは「工場を出た後の品質を、どう証明するか」を求める基準だといえます。
GDPの輸送・保管のポイント
GDPに準拠した運用を行うためには、従来の一般的な物流管理よりもさらに踏み込んだ管理体制が必要になります。
温度管理
GDPにおいて最も重要かつ困難な課題が「温度管理」です。多くの医薬品では、「2~8℃(冷所)」や「25℃以下(常温)」など、厳密な温度帯での管理が定められています。
単に設定温度を守るだけでなく、輸送車両内の場所による温度ムラ(ホットスポットやコールドスポット)の把握や、夏場の積み降ろし時における一時的な温度上昇のリスク管理も求められます。炎天下での積み替え作業中に保冷箱を開けた数分間で、想定以上の温度上昇が起きてしまうケースもあります。
このため、定期的な「温度マッピング(空間内の温度分布調査)」を実施し、常に安定した環境を維持できているかを検証することが重要です。これは単なる確認作業ではなく、「最も温度条件が厳しくなる場所」を把握するための重要な工程です。
輸送過程の管理
輸送中には、温度変化のほかにも、湿度の変化や振動・衝撃など、品質に影響を及ぼす要因が存在します。
GDPでは、輸送において品質・完全性を損なう要因を管理することで、これらのリスクを最小限に抑えることを求めています。これを実現するためには、たとえば、専用の保冷車や保冷ボックスの活用、配送ルートの事前評価(ルートバリデーション)などの方法が挙げられます。
また、配送業者への委託を行う場合には、委託先がGDPの基準を満たしているかを確認し、品質契約(GQP/GDP合意書)を締結して、責任の所在を明確にすることも重要なポイントです。
これにより、万が一、問題が発生した際にも「どこまでが自社の責任か」「どこからが委託先の責任か」を明確にできます。
偽造医薬品対策
世界的に問題となっている偽造医薬品の流通防止も、GDPの大きな役割です。
正規の流通経路以外からの混入を防ぐためには、たとえば、入出荷時の厳格な記録管理や、配送中の荷物の開封防止(不正開封防止シールの使用など)が求められます。
サプライチェーン全体の透明性を高めることで、患者様の安全を脅かすリスクを排除する必要があります。
GDPに対応した輸送方法の例
GDPに対応した輸送方法を実現するために、最も重要なのが温度管理です。そのため、具体的には以下のような輸送方法が求められます。
定温輸送車両の利用
荷室の温度を一定に保つ空調機能を備えた車両での配送です。大規模な配送に適していますが、車両ごとのバリデーションが重要になります。
高機能保冷ボックスと蓄熱材の組み合わせ
電源がなくても一定時間、特定の温度帯を維持できるボックスを利用します。小口配送や、電源確保が難しいルートでも安定した管理が可能です。
医薬品の輸送時の管理におすすめのデータロガー
上でご紹介したいずれの方法を採用した場合も、輸送中の温度管理が重要です。特に、後者の場合は、温度の測定と記録が行えるデータロガーが必須となります。
特におすすめなのが、WATCH LOGGER(ウォッチロガー)です。輸送中や保管中の温度・湿度を自動で記録し続けることができ、GDPで求められる厳格な品質証明が可能になります。
WATCH LOGGERが選ばれる理由は、その高い信頼性と利便性にあります。
- 確実なデータ記録…一定の間隔で測定値を記録し続けるため、配送中のどのタイミングで温度変化が起きたかを正確に追跡可能です。
- 小型・軽量設計…輸送用の梱包箱に同梱しやすく、場所を選ばずに設置できます。
- レポート作成の簡略化…収集したデータは専用ソフトから自動でレポート出力ができるため、監査や品質保証部門への報告業務を大幅に効率化できます。
詳しくは、下記ページをご覧ください。
https://f-log.jp/watchlogger/
まとめ
GDP(適正流通基準)への対応は、医薬品を取り扱う全ての事業者にとって、社会的な信頼を守り、患者様の安全を確保するために不可欠です。
特に輸送・保管における温度管理には、高い専門性と正確な記録管理が求められます。適切な管理体制の構築には、現状のリスクを把握し、バリデーション済みの設備や、WATCH LOGGERのような信頼性の高いデータロガーを活用することが近道です。
GDPへの対応は負担に感じられがちですが、記録と管理の仕組みを整えることは、現場を守り、不要な判断リスクを減らすことにもつながります。



