データロガーの校正とは?その重要性と目的の詳細解説
データロガー(測定器)の校正とは、正確性を確保するための重要なプロセスであり、品質や安全性において大きな意味を持ちます。本記事では、校正の概要から重要性、頻度、そしてなぜ校正が必要なのか詳しく解説します。
目次
校正の概要
―そもそも校正とは?また、その目的とは?
校正は、データロガーが正確な測定結果を提供できるかどうかを確認し、必要に応じて調整や修理が行われます。このような校正作業は、データロガーの信頼性と測定結果の正確性を確認するため非常に重要です。
―なぜ校正が必要なのか?
データロガーは、使用する環境や温湿度帯、時間の経過による自然劣化でセンサーに微妙な変化が生じます。これは、どのデータロガーにも言えることであり、センサーが劣化しない機器は存在しません。
校正は、このような変化や劣化によるデータロガーの性能の低下を知るために行われます。具体的には、実際の測定値と標準値を比較し、その差異(ズレ)を把握します。校正結果によって差異が確認された場合は、調整や修理が行われ、精度を元の状態に戻すサービスを行っている会社もあります。
また、信頼性の高い校正機関を選ぶ手もあります。ISO/IEC 17025、A2LA、JCSSの要求事項を満たした校正機関は、信頼性の高さと優れた技術力を持っています。
校正の重要性
―品質管理の向上
例えば、医薬品の冷蔵庫・冷凍庫の温度管理が誤った値を得ることは大きな問題です。したがって、定期的な校正作業によってデータロガーの誤差を修正し、信頼性の高い測定結果を得ることが求められます。
さらに、校正はトレーサビリティも確保されます。トレーサビリティとは、測定結果の信頼性を保証するために測定器の値が明確な基準に結びついていることを意味します。
―製品の安全性確保
製品の安全性確保という観点から考えてみます。製造業では、品質管理やリスク管理において、測定器の精度は非常に重要です。正確な測定によって製品の仕様や規格に合致しているかを確認し、安全性を保証することができます。
ISO9001では、「監視機器及び測定機器の管理」の項目で、国際または国家計量標準にトレーサブルな計量基準に照らし合わせて校正を行うことが示されています。このようなトレーサビリティがあることで、測定結果や試験データに信頼性が生まれます。
校正の頻度と期間
―校正の頻度の目安
校正の頻度は一律に定めることはできず、環境や使用状況によって異なります。
最も多いのは約一年ですが、信頼性が求められる場合や精度を高める必要がある場合は、校正周期を短くすることが望ましいです。一方で、日常点検を行い、一定のズレが生じた場合に校正する方法もあります。データロガーの場合は特に安定した計測結果を得るためにも、適切な校正頻度を設定することが重要です。
お客様ごとに環境や使用頻度が異なるため、測定機器の校正をはじめてから一定期間が経過した後に再度校正を行い、計測結果に影響がないか確認する必要があります。このようにして、多くの校正実績を積み重ねることで、お客様の使用環境に最適な校正周期を見極めることができます。
まとめ
校正について詳しく解説させて頂きました。
通常の校正では、"測定機器の測定精度が現状どうなっているのか"の確認のみを行っており、測定精度が外れていた場合でも、そのまま校正を行い各種書類(校正証明書/試験成績書/トレーサビリティ)が発行されます。
お客様の手元に届いた時点で精度外れが分かり、そこからセンサー交換または新品購入となるのでタイムロスが多く発生致します。
そのタイムロス解消の為に、藤田電機製作所の校正サービスは当社の校正試験設備で校正機関へ手配する前に無償でセンサーチェックを実施いたします。その結果をもとに、お客様自身で校正手配の可否を選択することが可能です。(校正依頼前提のサービスですのでセンサーチェックのみのご依頼は受け付けておりません。また、校正前の無償センサーチェックで書類は発行しておりません。)
測定機器の校正は、信頼性の確保や品質管理に欠かせない重要な作業です。
正しい依頼方法と使い方を心掛けることで、より正確かつ信頼性の高い測定結果を得ることができます。
※ 校正ついての詳細は、こちらのページをご覧ください。