
商社が語る米国市場が求めるデータロガーとは?衝撃・温湿度管理と日本製の強み
アメリカでデータロガー・測定器への関心が高まる今、調達の健全性と現場での使い勝手の両立が、導入の成否を分けています。広い米国調達ネットワークを持つ株式会社ジュピターコーポレーションは、様々な課題に真正面から向き合い、"衝撃・温度・湿度"を運用まで落とし込む提案力で現場からの信頼を得てきました。その象徴が、半導体業界での衝撃データロガーの採用です。使い勝手をいかに分かりやすく伝え、そこにタイムリーな情報発信が重なるとどう“効く”のか。営業本部長/今井さん・産業貿易グループ兼マーケティング&FAE担当課長/舛屋さんにお話を伺いました。

WATCH LOGGERに限らず、データロガー全般についてお伺いします。アメリカ市場での販売を進めるにあたり、現在アメリカではデータロガーや測定器の需要が高まっていると聞いています。そこで、まず御社がどのような会社なのか、簡単にご紹介いただけますか? そのうえで、海外市場における御社の強みについても教えてください。
今井 当社は1948年創立で、長年にわたり貿易事業を手掛けてきました。初期は輸出が中心でしたが、途中から輸入へと軸足を移し、1967年の米国拠点設置を機に米国からの調達が大きく拡大しています。現在は、防衛関連を含む多数の米国サプライヤーと取引があり、総数は三桁に及びます。
強みとしては、「米国調達ネットワークの広さ」、「品質・調達ソースの健全性(経由国・規制)の確認能力」、「現場視点の運用提案までつなげること」この3点が、海外展開の案件で一貫して評価いただいているところです。
実際にその強みを活かして、海外サプライヤーとのやり取りはどのように進めているのでしょうか?
舛屋 海外メーカーは日本市場への販売意欲が強く、接触はフレンドリーなことが多いです。一方で品質基準の違いから不具合対応に苦労する場面もあります。近年は調達ソースの健全性チェック要請も増えており、当社でも産地・サプライチェーンの調査を実施しています。丁寧にメーカー選定を進めれば、安心して長くお付き合いできる優良サプライヤーは多いですね。
米国市場における日本製品の評価やブランドイメージについても気になるところです。現地での印象や、実際に感じられる傾向があれば教えてください。
今井 実感として、日本製品の品質への信頼は依然として高いです。例えば自動車では日本車の下取りが米国車より高い傾向があり、そうした事例からも評価の高さを感じます。ただ、現場では仕様や運用面の細部まで深く理解されているとは限らないため、“現場視点の運用提案”を含めた説明・デモが重要だと考えています。
データロガーに限らず、測定器全体のお話です。米国での評価いかがですか?
舛屋 米国ではFluke(フルーク)の存在感が非常に強く、現場導入では米国メーカー優勢の場面が多いのが実情です。日本には優れたメーカーが揃っていますが、ブランドの地力では米国市場でFlukeが抜きん出ています。一方、光通信やコネクタ規格の分野では日本計測器が採用された歴史もあり、領域次第の勝ち筋は確実にあります。
今回、当社の衝撃データロガーが米国経由でまとまった導入につながった背景を教えてください。
舛屋 きっかけはプレスリリースでした。情報発信が、「必要としている人」にタイムリーに伝わったことが大きかったと思います。米国市場では、製品を探している担当者が必ずしも積極的に検索しているわけではなく、タイミングと情報の質が非常に重要です。その意味で、今回のプレスリリースは課題を抱えていた現場に響いたと思います。
また、デザイン性とスマートなフォームが第一印象で評価された点も見逃せません。米国では、機能だけでなく見た目や操作性の洗練度が購買判断に影響します。WATCH LOGGERは日本でグッドデザインを受賞していますよね。そこに加えて、「日本製」という信頼感がプラス要素として働き、最終的な採用につながったと考えています。
今井 用途は、半導体製造装置用部品の輸送における衝撃監視でしたね。精密機器は輸送中のわずかな衝撃でも不具合が発生しやすく、その不具合の原因を特定するのが難しいという課題がありました。藤田電機製作所さんの衝撃データロガーは、衝撃の強さ、発生日時、方向(横・縦・奥行き)を記録できるので、原因究明がスムーズになったと聞いています。
こちらのお客様は半導体製造装置の分野で世界をリードする企業であり、そのようなトップクラスの企業の品質管理に当社製品が採用されていることは、当社にとっても誇りであり、非常に嬉しい限りですね。今後の数量増にも期待しております。

日本でも同様ですが、半導体や光学機器などの品質保証が求められる分野では、衝撃データの記録と検証が必要ですからね。そこでお伺いします。WATCH LOGGERを今後展開するにあたり、注目すべき業界はどの分野だと思われますか?
今井 宇宙・衛星関連はセンサー需要が多く、相性が良いと感じます。物流ほど物量は見込みにくいものの、ミッション単位の確実なニーズがあります。今井:宇宙・衛星関連はセンサー需要が多く、相性が良いと感じます。物流ほど物量は見込みにくいものの、ミッション単位の確実なニーズがあります。
舛屋 防衛分野は衝撃耐性が前提ですが、筐体内部の繊細なコンポーネントの輸送では監視の付加価値が出ます。加えて、食品・医薬・病院・コールドチェーンは日米共通で、温度・湿度・衝撃管理の王道領域です。こうした分野への提案を強化するため、当社でもWATCH LOGGERを数台購入し、使い方や用途を自分たちで学んだうえで、デモ機として貸し出す構想を進めています。現場で実際に触れてもらうことで、導入イメージをより具体的に持っていただけると考えています。
輸送や保管の現場では、思わぬトラブルが発生することもあると思います。例えば、荷物の紛失や衝撃による破損など、品質保証の観点で課題になるケースもあるのではないでしょうか。現場で特に困ったこと、そして「こういう機能があれば助かる」というポイントはありますか?
舛屋 クーリエ便紛失時の所在把握は非常に痛感しました。お客様の責任範囲であっても、当社として何とかしたいという思いが残ります。理想は、GPSで所在が分かり、衝撃の発生地点まで分かること。リアルタイム監視のニーズは国内外で高いと見ています。
また、Apple社の「AirTag」など既存の位置情報デバイスを上手く活用できないかという構想も練っています。AirTagは、Appleの「探す」ネットワークを利用し、世界中のAppleデバイスを経由して紛失物の位置を特定できる小型トラッカーです。こうした仕組みを輸送現場に応用できれば、荷物の所在を簡易的に把握できますし、新しいソリューションが実現できる可能性があります。
現在の米国市場での取り組み状況と、特に感じている課題はどのような点でしょうか?
今井 データロガーの市場規模は、日本で30〜40億円程度といわれています。米国はその同等から1.5倍程度のポテンシャルがあると見ています。他社が米国に支社を構えている事実からも、需要は確実に存在すると考えています。
一方で、課題は販路の確保と現地での認知度向上です。過去に代理店開拓を試み、十数社にアプローチしましたが、回答が得られないケースが多かったのが現状です。これは、米国市場では代理店側も取り扱う製品が多く、差別化ポイントが明確でないと優先度が上がらないことが背景にあります。こうした状況を踏まえ、当社としては「必要としている人にダイレクトに届く」施策が重要だと考えています。
米国市場では、さまざまな分野で新しい需要が生まれていますが、特に今“熱い”と感じる領域はどこでしょうか?また、その背景や、データロガーとの関連性についても教えてください。

今井 AI関連分野は社内でも頻繁に話題に上がるテーマで、製造業や物流の最適化、品質管理の自動化など、幅広い領域で注目されています。AIは直接データロガー製品と結びつくわけではありませんが、データ活用の重要性が高まることで、計測・記録機器の価値も相対的に上がっていると感じます。
舛屋 AI以外では、医薬品市場が非常に活況です。特に肥満治療薬などの新薬が急成長しており、輸送時の温度管理が厳格に求められるため、コールドチェーンの品質保証は必須です。この分野では、温度データロガーの導入メリットが非常に分かりやすいですね。必要な人に最短距離で価値を届ける。それが私たちの使命です。 “買われる製品”から“使われ続ける解決策”へ引き上げる伴走を、ぜひ私たちにお任せください。
米国市場での需要動向や、今後の注力分野について非常に興味深いお話を伺えました。今後の取り組みにも期待しています。本日は貴重なお話ありがとうございました。
今井・舛屋 ありがとうございました。
・「WATCH LOGGER」英語資料はこちら
https://f-log.jp/english/

株式会社ジュピターコーポレーション
〒107-0062
東京都港区南青山3-17-4
https://www.logix.co.jp/
米国現地法人(JUPITOR CORPORATION USA)
55 Fairbanks Irvine,CA, 92618 U.S.A.
https://jpus.com/



