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急ブレーキなどで発生する荷崩れによる損害賠償のリスクや防ぐための方法を解説

急ブレーキなどで発生する荷崩れによる損害賠償のリスクや防ぐための方法を解説

荷崩れは輸送現場において見過ごせないリスクの一つです。急ブレーキや急カーブ、積載不備などの要因により荷物が崩れることで、運転者や周囲の安全を脅かす事故が発生するだけでなく、輸送中の貨物が損傷し、企業に経済的損失をもたらす可能性があります。本記事では、荷崩れのリスクとその発生メカニズムを解説し、具体的な防止策について詳しくご紹介します。安全な輸送と物流品質を確保するために、ぜひご一読ください。

目次

輸送時に荷崩れが発生することのリスク

輸送の際に発生する荷崩れは、積み方や固定の不備によって走行中に荷物が崩れたり、荷積みした位置から荷物がずれたりすることを指します。荷崩れが発生すると、運送中の人的な事故や、貨物損傷の原因になる可能性があります。そのため、適切な積載・固定・定期点検は、運送の安全性を確保し経済的損失を防ぐために欠かせません。荷崩れの防止対策は、安全運行と物流品質の維持において重要な取り組みです。

–トラックの荷崩れとその対策

トラックの荷崩れとは、貨物を積載した際に、その荷物が積み方や固定方法の不備により、走行中に崩れ落ちたり、ずれたりする状況を指します。積荷が適切に固定されていないと、車両の揺れや急な動きによって荷物が不安定になり、トラックの荷台から落下したり、横転したりする可能性があります。これは運転者自身や周囲の他の車両、歩行者にとって深刻な事故につながる重大なリスクとなります。

荷崩れを防ぐためには、以下の4つような対策が重要です。

・荷物を均等に積み、重心を安定させること。
・ロープ、ネット、ベルトなどを使用して荷物を確実に固定すること。
・積み荷の重さと大きさに応じた適切な固定方法を選択すること。
・定期的に積み荷の状態を確認し、ゆるみや乱れがないか点検すること。

 トラック運転手や運送会社にとって、荷崩れ防止は安全運行の最も重要な要素の一つであり、事故を未然に防ぐための慎重な作業が求められます。

–荷崩れの影響

荷崩れが発生すると、輸送中の貨物損傷リスクが高まります。不安定な積み荷は衝撃や振動によって破損し、商品の価値を大きく下げてしまう可能性があります。さらに、積み荷が片寄ることで、車両のバランスが崩れ、横転や事故の原因にもなります。経済的な観点からも、損傷した商品は廃棄や返品の対象となり、企業に直接的な経済的損失をもたらします。

 これらの問題を防ぐため、物流業界では適切な積み荷の固定方法、緊急固定具の使用、定期的な積み荷の点検などの対策が講じられています。
荷崩れ防止対策は、運送会社が「商品の保護」「輸送の品質・安全性」「企業の経済的利益」を向上させるために意識すべき項目です。

トラックの荷崩れが起こる原因

トラックの荷崩れは、過積載による重心の不安定や、偏荷重によるバランスの崩れ、急ブレーキや急カーブによる衝撃などが複合的に作用して起こります。これらの要因は、車両の損傷や交通事故につながる可能性があり、安全な輸送を阻害する大きな要因となります。

–過積載

過積載とは、トラックの最大積載量を超えて荷物を積み込むことであり、荷崩れを引き起こす主な原因の一つです。過積載が発生すると、重心の不安定化や固定力の低下が起こり、トラックのバランスが崩れやすくなります。また、タイヤやサスペンションに過度な負担がかかり、車両の制御性が低下するなど、安全面に深刻な影響を及ぼします。

 過積載による具体的な危険として、荷崩れによる事故や車両の損傷が挙げられます。走行中に崩れた荷物が後続車や通行人に衝突することで重大事故につながり、車両自体も構造が損傷し寿命が縮まる恐れがあります。また、過積載は法規制に違反する行為であり、罰則の対象となるため、注意が必要です。これを防ぐには、最大積載量を厳守し、荷物を均等に配置して重心を安定させることが重要です。ロープやベルトで荷物を確実に固定し、緩みがないか確認すること、そして車両のタイヤやブレーキの定期点検を行い、安全な輸送を維持することが求められます。過積載は重大な事故や経済的損失を招く危険な行為であるため、安全運行のためには絶対に避けるべきです。最大積載量の遵守と適切な荷物管理が、輸送の安全と信頼性を支える鍵となります。

–偏荷重

偏荷重は、トラック輸送における重大な安全リスクを引き起こす深刻な問題です。トラックの荷台に積まれた荷物の重心が均一に分布せず、特定の場所に集中してしまう状態を指します。具体的には、荷台の前方に重い荷物が集中したり、片側に偏って積まれたりする場合が該当します。

 このような偏荷重は、トラックの運転に多岐にわたる悪影響を及ぼし、最も懸念される問題の一つが荷崩れです。荷物の重心が不安定になることで、急ブレーキやカーブの際に荷物が滑り落ちたり転倒したりする危険性が著しく高まります。さらに、荷崩れは車両自体にも深刻なダメージを与え、荷台の破損やフレームの歪みといった重大な損傷を引き起こすことがあります。最も危険なのは、荷物が道路上に飛び散ることで発生する二次的な事故のリスクです。後続車との衝突や通行人を巻き込む事故につながる可能性があり、社会的な安全を脅かす要因となります。

 偏荷重が発生する主な原因は、積載時のミスにあります。荷物を積み込む際に重心のバランスを考慮せず、一方に偏って積んでしまうことが最も一般的です。また、走行中の荷物の移動や不十分な固定も、偏荷重を引き起こす要因となります。これらのリスクを軽減するためには、荷物を積む際は重心を中央に寄せ、左右・前後のバランスを慎重に保つことが求められます。緩衝材の使用やロープ、ベルトによる確実な固定は、荷物の移動を防ぐ上で極めて重要です。出発前の定期的な点検や、急加速・急ブレーキ・急ハンドルを避ける安全運転もリスクを最小限に抑える上で不可欠です。

 偏荷重は単なる積載上の問題ではなく、重大な事故や車両損傷につながる危険な状態です。安全な輸送を実現するためには、荷物の積み方や固定方法に細心の注意を払いましょう。

–急ブレーキ・急カーブ

急ブレーキや急カーブの運転操作によって、荷物が動いたり固定が外れることで、荷崩れが発生します。急ブレーキは大きなリスクが潜んでいます。荷台に強い衝撃が加わることで、積荷が前方に滑り出したり、上方に跳ね上がったりする可能性があります。さらに、固定具が外れることで、荷崩れの危険性が高まります。急カーブでも同様で、遠心力によって積荷が外側に押し出され、積み方が崩れたり、固定具が緩むこともあります。荷崩れを防ぐためには、荷物の重心を低くし、隙間なく積み込むことが重要です。ロープやベルトなど適切な固定具を使用し、しっかりと荷物を固定します。定期的に固定具の状態を点検し、緩みがないか確認しましょう。安全な輸送のためには、適切な積み込み、確実な固定、そして安全運転を徹底することがいちばん大事です。

荷崩れを防ぐための対策方法

荷崩れを防ぐには、荷物の形状や重量、材質に合わせて積み方を工夫し、適切な固定方法を用いることが大切です。また、積載状況に応じて速度を調整し、急ブレーキや急ハンドルを避けることで、安全に輸送ができます。

–荷物の特性に合わせた積み方をする

同じ「荷物」といっても、その形状や重量、材質などにより特性は様々であり、それを考慮しない積み込みは荷崩れのリスクを高め、事故やトラブルにつながる可能性があります。そのため、荷物の特性に合わせた積み方を工夫することが重要です。

 重量物は、トラックの荷台の下部に配置することで重心を低くし、安定性を高めます。荷台全体に均等に分散させて偏荷重を防ぎ、さらに強度の高い固定具を用いてしっかりと固定することが求められます。一方、長尺物は横倒しにすると不安定になるため、立て掛けるか水平に積み、間に緩衝材を挟むことで移動や衝突を防ぎます。

 液体物の場合、漏れを防ぐため容器を立てて固定し、衝撃から守るために緩衝材を使用します。万が一の漏れに備えて排水口を設けるとさらに安心です。粉体物は密閉容器に入れ、しっかり固定することでこぼれを防ぎ、シートで覆うことで粉塵の飛散も抑えられます。さらに、パレットを活用することで作業効率が上がり、荷崩れ防止にもつながります。

 軟質物は圧縮されると品質が低下する恐れがあるため、重い荷物の下に配置するのを避け、上部に積みます。また、緩衝材を挟むことで変形を防げます。

 これらの積み方の工夫に加え、荷崩れ防止のためには隙間をなくして荷物が動かないように積むことも重要です。さらに、ロープやベルト、ネットなど適切な固定具を使用し、しっかりと荷物を固定する必要があります。そして、運搬中には固定具や積み方が緩んだり破損したりしていないか、定期的に安全性を確認することが欠かせません。

–積載状況に合わせた速度で走行する

速度が荷崩れに影響する理由は、速度が上がると遠心力や空気抵抗が増加し、荷重が大きくなるからです。特にカーブでは外側に荷物が押し出されやすくなります。また、速度が上がると路面の凹凸や風の影響で車両の振動が増大し、荷物が不安定になる原因となります。高速走行中に急ブレーキをかけると、荷台に大きな衝撃が加わり、荷物が前方へ滑り出したり跳ね上がったりする可能性が高まります。

 積載状況に応じた速度調整のポイントとしては、まず荷物の重量と種類に注意が必要です。重い荷物や液体、粉体物など形状が不安定な荷物の場合は、特に速度を落とす必要があります。荷物の固定方法も重要で、固定が不十分なら速度を抑えるべきですが、適切な固定方法ならある程度の速度でも安全に走行可能です。路面状況も考慮すべきで、雨天時や雪道、段差や穴が多い場所では速度を落として走行するべきです。カーブの角度や半径によっても必要な速度が変わり、カーブに入る前に減速することが重要です。

 積載状況に合わせた速度で走行することは、荷崩れ防止の最も基本的な対策の一つであり、荷物の特性、固定方法、路面やカーブの状況を総合的に判断して安全な速度で走行することが求められます。

–急ブレーキ・急発進・急ハンドルをしないために

急ブレーキをかけると、慣性の法則で荷物が前方へ滑り出し、ロープやベルトに過大な力がかかり、緩んだり切れたりするリスクがあります。荷物が前方だけでなく上方にも跳ね上がり、積み方が崩れる原因になります。一方、急発進では荷物が後方に押しやられ、固定されていないと荷台から飛び出す危険性が高まります。急ハンドル操作では遠心力により荷物が外側に押し出され、特に固定が不十分だと荷物が横転したり落下したりする可能性があります。

 荷崩れを防ぐためには、まず安全運転が重要です。急加速や急減速、急ハンドルを避け、スムーズな運転を心がけることが基本です。また、車間距離を十分に確保し、路面状況に応じた運転も必要です。このような事故を防ぐためには、安全運転を心がけ、積み込みや固定、車両の点検をしっかり行うことが不可欠です。

まとめ

荷崩れは、単なる物流上の問題にとどまらず、深刻な法的・経済的リスクを伴う重大な課題です。急ブレーキや急な運転操作によって発生する荷崩れは、貨物の損傷だけでなく、場合によっては人身事故や多額の損害賠償請求につながる可能性があります。

 このようなリスクに対して、株式会社藤田電機製作所の「衝撃データロガー」が活用できます。




 この装置の最大の特徴は、車両が受ける衝撃を3軸(X、Y、Z軸)で詳細に記録できることです。例えば、トラックが急ブレーキをかけたり、カーブを曲がったりした際の正確な衝撃の大きさや方向を記録します。これにより、荷崩れが発生した正確な状況を後から分析することができます。



 実際の活用シーンとしては、運送会社が長距離輸送を行う際、デリケートな精密機器や壊れやすい商品を運ぶ場合、WATCH LOGGERを貨物に取り付けることで、輸送中のあらゆる衝撃を記録できます。万が一、貨物に損傷が発生した場合でも、その原因を証拠データとして特定できるため、責任の所在を明確にすることができます。また、保険会社にとっても、このデバイスは非常に有用です。事故や損害賠償請求が発生した際に、客観的なデータを基に状況を正確に把握できるため、公平な判断を下すことができます。

 農産物や生鮮食品の輸送、精密機器の配送、美術品の運搬など、繊細な取り扱いが求められる貨物にとって、”WATCH LOGGER”は単なる測定器以上の意味を持ちます。予期せぬ衝撃から貨物を守り、同時に法的・経済的リスクを最小限に抑える、まさに現代の物流における心強いパートナーと言えるでしょう。“WATCH LOGGER使い方・導入手順のすすめ”の資料や“デモ機3週間無料レンタル”も行っているのでお気軽にお申込みください。

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