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場所で温度が違う?温度分布から見るマッピングの重要性

場所で温度が違う?温度分布から見るマッピングの重要性

温度管理は、さまざまな産業分野において重要な要素となっています。特に、製造や保管の現場においては、正確な温度管理が製品の品質や安全性に影響を与えることから、温度分布の把握が欠かせません。本記事では、温度が異なる状況下におけるマッピングの重要性について探究していきます。温度マッピングの基本から、なぜ必要なのか、そしてどのように実施すべきかを初心者にも分かりやすく解説します。

目次

温度マッピングとは

―温度マッピングの概要と目的

温度マッピングは、医薬品や食品、お部屋や倉庫など適切な温度管理下にあるかを確認するために行われる手法です。場所によって温度は異なり、それを知るのが"マッピング"です。

スペース内の空間温度分布を正確に把握し、継続的に計測することで、温度バリデーションの評価を可能にします。

厚生労働省が2018年に発表したGDPガイドラインでは、輸送・保管中の医薬品に対する厳格な温度管理が求められ、温度マッピングはその一環として重要視されています。特に医薬品は、決められた温度範囲内で保管・輸送される必要があり、適切な温度管理が行われない場合、品質や効果に悪影響を及ぼす可能性があるため、温度マッピングの実施は欠かせない作業と言えます。

更に、絵画や彫刻などの芸術作品は、温度変化や湿度の変動に非常に敏感であり、美術館や博物館は適切な環境条件下で保管・展示されることが必要です。温度マッピングを行うことで、作品が保管されている空間内の温度分布を詳細に把握し、熱的ストレスや局所的な温度差による影響を防げます。温度マッピングはさまざまな業界において重要な役割を果たしています。

なぜ温度マッピングが必要なのか

―品質管理・安全確保への影響

医薬品を例に挙げると、特定の温度範囲内で保管・輸送される必要があり、温度管理が不適切だと品質や効果に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、温度マッピングを正確に実施し、保管スペース内の温度分布を計測することで、品質管理を確実に行うことができます。企業や施設が適切な温度管理を行うためには、温度マッピングによる評価が重要であり、連続モニタリングや非連続モニタリングなどの方法を適切に用いて、温度管理の信頼性を高めることが求められます。


温度マッピングの結果、温度が一番安定している場所に大切な製品を置き、特に温度管理を必要としない製品はスペースが確保できる場所など分けることができます。温度マッピングの中でも特に注目されるものをいくつか挙げてみましょう。

 ・住宅
一戸建てや賃貸などのお部屋の場所によって温度が異なります。窓際の部屋は日当たりが良く、冬は暖かいですが夏は暑くなりやすい傾向があります。一方、天井が低い部屋は熱気がこもりやすく、夏は蒸し暑く、冬は冷えやすいという特徴があります。

 ・倉庫
入口や手前、奥、高さなどの場所によって温度が異なることがあります。このような差異は、倉庫内の気流や保管されている商品の特性などに影響されることが多く、入口付近は外気の影響を受けやすく、温度変化が大きい傾向があります。一方、奥の部分は外気から比較的遠く、温度が比較的安定していることが多いです。また、倉庫内の高さによっても温度が異なることがあり、高所ほど温度が上がりやすい傾向があります。

 ・トラック
ウイングボディやサイドドアなどの構造から積載物が保管される場所によって温度が異なります。

 ・冷蔵庫/冷凍庫
開閉口や収納場所によって内部の温度が異なることがあります。一般的には、冷蔵庫の上部や開閉口に近いほど温度が高くなり、下部や奥の方ほど温度が低くなる傾向があります。保冷ボックスなど。

 ・電子機器内部
過熱や冷却不足などの問題を特定し、効果的な冷却設計を行うことができます。サーバールームなど。

温度マッピングの実施方法

―計測機器の選定

温度マッピングを行う際には、適切な計測機器の選定が非常に重要です。 倉庫や保管施設の空間温度分布を正確に把握するためには、信頼性のあるセンサーが必要です。計測機器の選定は、倉庫の構造や環境に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。また、校正ができることも欠かせません。(詳細記事:「データロガーの校正とは?その重要性と目的の詳細解説」)



株式会社藤田電機製作所の「WATCH LOGGER」は、その条件を全て満たす優れたデータロガーです。創業95年の測定器メーカーが作る製品であり、誰でも簡単に操作できます。さらに、測定した温度の自動レポート出力も可能であり、使用者にとって便利な機能が充実しています。データロガーとしての機能性はもちろん、藤田電機製作所の豊富な経験と技術が詰まった製品であり、信頼性も高いと言えます。温度マッピングの正確性は、製品の品質管理や保持に直結するため、信頼性の高い機器を使用することが不可欠です。

―便利な温度分布の調査手法


株式会社藤田電機製作所の「WATCH LOGGER」を選んだ理由は、マッピングが無料のソフトウェアで簡単にできる点です。通常、出力した温度データを表計算ソフトなどで編集しなければなりませんが、これは非常に手間がかかります。WATCH LOGGERのソフトウェア「Standard Edition」には便利なマッピング機能があり、出力したデータを落としこむだけで簡単に一覧表が作成できます。さらに、ロガーに名前をつける機能もありますので、設置場所名を入力し、色指定(NFC通信タイプのみ)をしておけば、マッピング表を完成させることができます。

まとめ

―温度分布を知っていると

温度分布を理解することによって、以下のことが明らかとなります。

1.エネルギー使用の最適化
建物内での温度のバラつきを把握することにより、エアコンやヒーターの効果的な運用が可能になります。温度分布が不均一な場合、無駄なエネルギーの使用が生じる可能性がありますが、均一な温度分布を保つことでエネルギーの浪費を軽減できます。

2.快適性の向上
温度が不均等な場合、人々が滞在する場所とそうでない場所との間で快適性に差が生じることがあります。温度分布を把握することで、快適な環境を提供するために調整を行うことができます。

3.機器の効率
機器や設備の温度分布を理解することで、過熱や過冷却などの問題を早期に発見して修正することができます。それにより、機器の寿命を延ばしたり、故障のリスクを低減したりすることが可能です。

4.製品品質の管理
製造過程や倉庫内での製品の保管中の温度分布を把握することで、製品の品質を保つことができます。特に、温度が一定でない場合、製品の劣化や変質が発生する可能性がありますが、温度分布を理解することでこれらの問題を未然に防げます。

室内の温度分布を精密に把握することは、快適性や省エネ効率だけでなく、製品品質を保つうえでも極めて重要です。温度の偏在が生じると、製品や材料の性能に影響を及ぼす可能性があります。温度マッピングを行い、温度分布を的確に把握することで、製品品質の向上に結びつくだけでなく、製造プロセス全般の効率性やコスト削減にも寄与することが可能ですので、意識して取り組むことが重要です。

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