
食品物流のアウトソーシングとは?メリットや業者の選び方を解説
食品物流のアウトソーシングとは、自社で対応している食品物流業務を専門業者に外部委託することです。専門設備や物流網を持つ専門業者に委託することで、コスト削減や物流品質の向上などが期待できます。
とはいえ、鮮度や安全性が重要な食品物流を担当している方のなかには、「アウトソーシングの具体的なメリットや業者の選び方がわからないと、委託を検討できない」といった方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、食品物流アウトソーシングのメリットや業者選定時のポイントなどを解説します。そもそも食品物流アウトソーシングとは何かについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
食品物流アウトソーシングとは
食品物流アウトソーシングとは、自社で担っていた食品の輸送・保管・仕分け・配送などの物流業務を、専門の物流業者に外部委託することです。食品業界においては、冷凍・冷蔵などの温度管理、衛生管理、配送スピードなどが非常に厳しく求められます。そのため、一般的な物流よりも高度な管理体制やノウハウが必要です。
近年、食品業界では人手不足や設備老朽化、物流網の再構築といった課題が表面化しており、それらの課題を解決する手段としてアウトソーシングが注目されています。食品専門の物流会社は、コールドチェーン(低温物流)に対応した倉庫や車両を保有しており、食品ごとの保管条件に合わせた適切な取り扱いが可能です。これにより、自社で対応するよりも安全かつ効率的に物流業務を進められる環境が整います。
また、食品物流は法規制も多く、食品衛生法やHACCP(危害分析重要管理点)などの遵守も求められます。アウトソーシング先がこうした基準をクリアしている場合、自社のリスク軽減にもつながるでしょう。
食品物流アウトソーシングを導入するメリット
食品物流アウトソーシングを導入する6つのメリットを紹介します。
物流コストの削減が期待できる
食品物流は保管・輸送の両面で高度な設備や人員を必要とするため、自社で全てをまかなうには膨大なコストがかかります。冷蔵庫や冷凍車両の導入・維持に加え、専用の温度センサーやモニタリングシステムも必要です。これらの設備投資をアウトソーシングによって回避することで、初期投資やランニングコストを抑えることができます。
また、物流会社は複数のクライアントの荷物をまとめて扱うことでスケールメリットを発揮し、コストを分散させています。これにより、単独で物流ネットワークを維持するよりも大幅にコストダウンを実現可能です。物流費の変動費化により、事業規模や季節波動に応じた柔軟なコスト管理もできるようになります。
人手不足を解消できる
食品業界では、パート・アルバイトスタッフによる出荷・仕分け作業が多くを占めており、慢性的な人手不足が深刻化しています。とくに繁忙期や季節需要が大きく変動する商品を扱う事業者にとっては、常に安定した人員確保が大きな課題です。
食品物流に特化した業者は、常時専門の作業スタッフを確保しており、繁忙期にも柔軟な人員配置が可能です。また、業務ごとにマニュアル化されているため、品質やスピードのばらつきも抑えられます。人材採用や教育にかかる負担を削減できる点も、アウトソーシングの大きなメリットです。
物流における品質管理の精度が向上する
食品はデリケートな商品であり、わずかな温度変化や衝撃でも品質が劣化する恐れがあります。とくに生鮮食品や冷凍食品では、温度管理の精度が生命線です。専門の物流業者は、最新の冷蔵設備や温度記録システムを導入しており、細やかな品質管理を行っています。
さらに、HACCPやISO22000などの食品安全管理認証を取得している業者であれば、国際的にも高水準の管理体制が整っているといえます。アウトソーシングによってこうした高度な品質管理の恩恵を受けることができ、自社の商品価値の維持・向上にもつながります。
物流網の維持と拡大がしやすくなる
自社だけで全国に物流網を構築・維持するのは、多大なコストと労力を伴います。アウトソーシングを活用すれば、すでに構築された物流ネットワークを活用することができ、新たな市場や地域への展開もスムーズに進められるでしょう。
たとえば、地方に販路を拡大したい場合でも、現地に倉庫や人員を配置せずに、委託先のネットワークを活用することでリスクを最小限に抑えられます。これにより、成長戦略としての地域拡大もスピーディーに実現可能です。
リードタイム短縮による食品ロス低減が期待できる
食品のリードタイム(製造から消費者に届くまでの時間)を短縮できれば、鮮度の高い状態で商品を届けることができ、食品ロスの削減にもつながります。物流専門業者は効率的な配送ルートや在庫管理手法を確立しており、配送までの無駄な時間や工程を省略することが可能です。
とくに賞味期限が短い食品や、コンビニ・飲食店への頻繁な配送が求められる商品では、リードタイムの最適化が品質維持に直結します。ロスの減少は、売上確保だけでなく、企業のサステナビリティ向上にも貢献するでしょう。
多品種小ロットの輸送や配送ルートの効率化が図れる
消費者ニーズの多様化により、食品業界では多品種小ロットの出荷が増加しています。自社でこれに対応するには、多品目在庫の管理や仕分け工程の複雑化による人的負担が大きくなります。アウトソーシング業者は、WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)を駆使し、こうした複雑な物流に対応可能です。
また、エリアごとの最適な配送ルート設計が可能であり、複数拠点からの共同配送などを活用すれば、車両台数や走行距離の削減にもつながります。結果的に、環境負荷の軽減や配送コストの最小化も実現できるでしょう。
食品物流のアウトソーシング先の選び方
食品物流のアウトソーシング先の業者の選び方として、5つのポイントを解説します。
物流拠点の立地で選ぶ
食品物流のアウトソーシング先を検討するうえで、物流拠点の立地は重要なポイントです。委託先の物流拠点が自社の販売エリアや供給先、または仕入元と適切な距離・位置にあるかどうかは、配送リードタイムや配送コストに大きく影響します。
また、交通アクセスのよさや主要高速道路への近さも重要です。これにより輸送の安定性や災害時の対応力なども変わってきます。複数拠点を持つ業者であれば、地域密着型の配送網を活かしたきめ細やかな対応も期待できるでしょう。
物流施設の機能や管理体制で選ぶ
食品物流では、冷蔵・冷凍設備の性能、衛生管理体制、異物混入防止策など、倉庫内の機能・設備レベルが重要です。たとえば、冷凍・冷蔵の温度帯が細かく分けられていたり、庫内温度が常時記録されているかなど、ハード面の仕様を確認することが求められます。
加えて、HACCPやISO22000といった認証取得の有無も信頼性の判断材料です。温度・衛生・在庫などの管理が徹底されているか、現地視察や資料提出などを通じて事前に確認しましょう。
対応の柔軟性で選ぶ
食品物流は突発的な注文や配送ルートの変更、季節による需要変動など、変動の大きい業務が多い分野です。そのため、委託先がこうした変化に柔軟に対応できる体制を整えているかは、重要な判断基準となります。
たとえば、繁忙期に人員を増やせるか、緊急出荷や納品先変更に即応できるかといった運用面での柔軟性は、現場の安定運用に直結します。また、発注管理や受注データ連携などのシステム面においても、企業ごとのオペレーションにフィットするような柔軟な対応が可能かを確認しましょう。
委託費用で選ぶ
コスト面の比較も当然ながら重要ですが、単に価格が安いというだけで選ぶのではなく、サービス内容とのバランスが取れているかを見極めることが必要です。初期費用・月額基本料金・従量課金などの内訳を明確にし、トータルでのコストパフォーマンスを判断しましょう。
また、コストが変動する条件(繁忙期加算・緊急対応手数料・車両追加料金など)も事前に把握し、想定外の支出を防ぐことが大切です。費用だけにとらわれず、提供される品質・体制を加味して適正価格であるかを評価することが求められます。
食品物流に関する実績で選ぶ
食品物流における実績や経験の有無も大きな判断基準になります。食品特有の取り扱いや衛生・温度管理の経験が豊富な業者は、トラブル対応能力や安定した運用スキルが高く、安心して業務を任せられる可能性が高いといえるでしょう。
可能であれば、過去の取り扱い品目・対応業種・取引先企業数などの具体的な情報を確認しましょう。また、同業他社での導入事例や成功事例を聞くことで、実力や信頼性をより具体的に判断できます。
関連記事:物流アウトソーシングとは?メリット・デメリットや導入手順を解説
まとめ
本記事では、食品物流のアウトソーシングについて、メリットや業者の選び方などを解説しました。外部委託により、コスト削減や人手不足の解消などが期待できます。鮮度や管理が重要となるため、物流拠点の立地や施設の設備などをチェックし、適切な業者を選びましょう。
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